元アパレル会社の社長が中山間地域の農業の流通変革を目指す


2017年3月29日

【この記事は、田舎ラボ事業の一環です。嶺北の暮らしや移住に興味を持つ若者が、地域での仕事やナリワイに焦点を当てた取材をお届けします】
ここ嶺北でめずらしい話を耳にしました。
 
それは「元アパレル会社の社長が、高知の中山間地域の農産物流通を変えようとしている」
 
という話です。
 
 
今回は、その本人である上堂薗純高さんに実際のお話を聞いてきました。
 
 
アパレルメーカーを経てゼロから食の世界に
取材に伺った先は、嶺北の土佐町にある株式会社れいほく未来。
 
上堂薗さんは、学生時代に神戸でアパレル系のベンチャー会社を立ち上げて、事業を行っていたそうです。
 
「神戸コレクションのはしりみたいなことをしていました。中国・上海ともつながりができて、刺激的な日々でした。」
 
 
 
そんな華やかなファッションの世界から、どのようにして今の仕事にたどりついたのでしょうか。
 
「社長と言っても、当時それほどお金にも融通がきかず、しがらみも多かったので、後半は別の道を探っていました。そんなときに、スポーツ用品メーカーの上海での事業に関わるチャンスがあって、そこに就職することにしました。」
 
 
 
日本とは価値観も商習慣もまったくちがう中国での仕事は、意外にもとても充実していたそうです。
 
「でも、3,4年あっちに住んでいると、日本食がどうしても食べたくなります。中国産の食品の安全性がちょうど問題になった時期でもあったので、そこで日本の食のすごさに気づいたんですね」
 
 
 
そうして本格的に日本の食を支えることを仕事にすることを決意。
 
退職をして、日本に帰国してきたそうです。
2年間で見えた嶺北の農業に必要なこと
「嶺北にきたときの1年目は、実際に生産の現場に入り込んで、農家さんとの関係性づくりを進めました」
 
 
実際の現場に入っていくと、農産物の流通過程にかなりの無駄が多いことがわかったそうです。
 
中山間地域は大規模マーケットからは遠く、流通に関して情報面でもシステム面でも最適化されていなかったとのこと。
 
そのため、農家が得られるはずの利益をしっかりと得ることができていないのだとか。
 
 
 
「JAや大手資本では手が入らない部分を我々のような会社がやることで、中山間地域が活きる道のモデルケースを作りたい と考えています」
 
すでにある流通を整えることで、収入が増えている農家もあるそうです。
 
現在は、そのシステムを普及・拡大させているのだとか。
 
夢のある農業をつくりたい
「もうかる仕組みが作れれば、若い人材も入りやすくなって、地域の持続可能性も高まると思います」
 
たとえば、北海道のような大産地でテクノロジーが加速すれば、いままで以上に大きな生産性を上げることができる。
 
しかし、中山間地域では小規模農家が多く、土地に制約のある地域だとそうはいかないとのこと。
 
 
 
「コミュニティとしてビジネスを最適化し、小回りの利く仕組みを作れたら、その地域にしかできないローカライズされた農業ができると思います」
 
地域でのメインストリームになれるかどうか。
 
本当に地域を変えることができるかどうかは、ここ2,3年が勝負の年になる  という上堂薗さん。
 
 
 
その視線の先は、この地域の未来を見据えていました。
異分野・移住者というよそ者だからできること
『変革を起こすのは、よそ者・若者・ばか者』という言葉があります。
嶺北にやってきた当初、上堂薗さんは「異分野・移住者」という、まさにヨソモノでした。
 
 
だからこそ、中山間地の流通の無駄に気づき、嶺北の懐の深さに気づいたのだと思います。
 
また、やりたいことや自分の特性・自分を深く理解しているからこそ、どうすれば自分がやりたいことを実現できるかという見通しを持つことと行動力につながってきたのだと思います。
最後に「こっちに移住するときに不安はありませんでしたか?」という問いを投げかけてみたところ、
 
「中国での経験があるからね」と笑った上堂薗さん。
 
 
外に出てきたことのある人間は強い。
 
にこやかに笑うその様子から、地域で働くことのしなやかさを見た気がしました。

〒781-3521
高知県土佐郡土佐町田井1667
土佐町農村交流施設おこぜハウス内
担当:川村
TEL:0887-72-9303
FAX:0887-72-9304
E-mail: reihoku.in@gmail.com

© 2012 NPO法人 れいほく田舎暮らしネットワーク