公務員から一気に農家へ転身 Uターンで大豊町に帰ってきたトマト農家さん


2017年3月29日

【この記事は、田舎ラボ事業の一環です。嶺北の暮らしや移住に興味を持つ若者が、地域での仕事やナリワイに焦点を当てた取材をお届けします】

漠然と「田舎暮らしをしてみたい」と考えてきている人が増えてきています。

田舎暮らしでできる代表的な仕事と考えたら、まず1番に仕事として浮かぶのが農業ではないでしょうか。

 

けど、農業って大変そう、実際に食べていけるの?と考える人も多いでしょう。

そこで、実際に高知県の大豊町にUターン帰郷をして、農家を営んでいる猪野大助さんに話を伺ってきました。

Uターンのきっかけは子どもの誕生

高知県内にある工業高校を卒業したのち、公務員試験を受けて大阪で公務員として働いていた猪野さん。

結婚して子どもができたあと、子育てをしていくうちにふと「田舎で子育てをしたい」と思いはじめたそうです。

奥さんも子育てをするなら田舎がいいと思っていたとのこと。

 

10年間、公務員を続けてきた中で、何年後に自分が上司がいる席につくのかなんとなくわかり、先がわかりきっていることが退屈だと感じてきた頃に、「自分の人生はこんなものか」と感じた猪野さん。

 

そんなときに元気よく農業をしていた父の姿を思い出し、農業もいいかもな、田舎で仕事をするなら思い切って農業をしよう!と思いたったそうです。

子どもの頃は、絶対農業なんてやらない、お父さんみたいに大変なことをしたくない と思っていたそうですが、気持ちとは変化するものですね。

最初は奥さんに反対される

子どもがいて学費や生活費もかかってくるのに、どうして今から農業?と最初は奥さんに反対されたそうです。

公務員を続けていれば、安定した仕事と収入があるのにと思うのも当然です。

それでも、最後は猪野さんの粘り強い思いに負けて奥さんは納得したそうです。



しかし、説得したはずの奥さんが田舎で農業をする際の条件を出してきました。

「私が大豊町の役場に採用されること。それができなきゃ田舎には帰らない。」

なんとも頼もしい条件です。

二年目に無事に合格して猪野さんは公務員を退職

一年目は不合格だったものの、奥さんが公務員に合格したのちに猪野さんは公務員を退職しました。

 

まずは、農業の勉強をするために、いの町にある高知県の農業大学校へ進学。

最初はお父さんに習おうかと思っていたけど、そのお父さんから「ちゃんとした知識を学んだほうがいいぞ」とアドバイスをくれて、地元の農業大学校へ行ったそうです。

 

二年の研修の後に農家として独立

公務員時代の測量の技術を使って、借りていた家の敷地内に7畝(テニスコート3つ分ぐらいの広さ)のビニールハウスを中古で購入し、自分で建てたそうです。

「人生の経験はどこで活きてくるのかわからないもんだ」と感じたそうです。

 

1年目は失敗ばかりでうまくいかないこともあったそうですが、少しづつ生産の技術も身につき、3年目の去年は売り上げベースで200万円を超えてきたとのこと。

農業にはただ一つの答えがなく、手探りな部分が多い中で、自分がやりたいと思ったようにできること、そしてその結果がすべて目で見て分かること。

たしかに失敗もあるけど、少しづつ自分が前に進んでいる実感があることが、楽しさにつながっているようでした。

田舎で農業をする楽しさとは

最後に大豊町に帰ってきて農業をする中で、どんな楽しみがあるのか聞いてみた。

 

猪野さんはメインでトマト(大玉から中玉・ミニ・マイクロなど)を栽培している中で、一年の忙しい時期は決まっているため、忙しくない時期は他の活動をしているそうです。

どうしてトマトを選んだかというと、とにかくトマトが好きだという点と、単価がいいことと・大豊町がトマトに力を入れているから とのことでした。

 

栽培のサイクルは毎年3月あたりから種まきや苗作りを始めて、4月〜6月に定植をして、11月までトマトの世話をしながら収穫。

12月は片付けをして、1,2月は休みという感じのスケジュール。

農閑期の1,2月は好きなことをしたり、ゆっくり休養したり、地域や地元の活動などに参加できる。

地元のNPOの活動にも参加したり、1年中ずっと農業をせずに生活ができているそうです。

 

この場所なら安く食材が手に入り、家や土地代もそんなに高くない。

そのおかげで生活はまったく苦しくないですね と言っていました。

 

今後の展望とは

最後に、猪野さんに今後の展望を聞いてみました。

 

「何十年先のことはあまり想像もしてないけど、今はとにかくトマトの生産技術を上げて生産量を増やしていきたい」と語っていました。

今年は新しくハウスを借りたこともあり、トマトの栽培により力を入れて、収入を増やしていきたい とのこと。

奥さんが働いているとはいえ、3人の子どもを育てていく上で、家族や子どものために頑張りたいと思う父親の責務を感じました。


これからもトマトの栽培がうまくいくことを願っています。


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