定職につかず季節労働と人とのつながりで生きていていく


2017年3月29日

【この記事は、田舎ラボ事業の一環です。嶺北の暮らしや移住に興味を持つ若者が、地域での仕事やナリワイに焦点を当てた取材をお届けします】

生きていく上で定職につくこと、決まった仕事をしていることは、収入を得る上でかなり高い重要度を占めてます。

きっと誰もが何らかの決まった仕事をして生きることが普通だと思うかもしれません。

けれども、嶺北地域へ移住してくる人は、決まった仕事を持っていない状態で移住してくる人が意外にいるとのこと。

 

「本当に、それで生きていけるのか?」

 

地域おこし協力隊や転勤などでもなく、仕事を持たないで移住をしてきたわけではない、遠藤拓也さん(以下えんたくさん)に実際に話を聞いてみました。

 

 

ほぼお金なし状態で移住してきた

えんたくさんは、知り合いのイベントをきっかけに嶺北を知り、移住を決めたとのこと。

その時、ほとんどお金を持っていない状態だったのだという。

 

普通、お金を持っていない状態だと、移住などをする気がなくなりそうですが、どうして移住を決めたのかでしょうか。

えんたくさん曰く「何とかなる気がした」とのこと。

その「何とかなる気がする」ということがどういうことなのか詳しく聞いてみると、

 

「友だちや知り合いになった人が結構いたし、地域の人も温かく面倒みが良く、やさしい人が嶺北には多いってことを2週間くらい滞在した時に感じたんですよね。」

「お世話になることは迷惑をかけている気がして申し訳ない気もするんですけど。その分、自分でできることでその恩を返していったらいいかなと思って」と言っていました。

 

実際にえんたくさんは近所の人の家に呼ばれて畑仕事を手伝ったり、集落の清掃活動に積極的に参加し、それなりに地域に馴染んでいるようです。

 

もともと彼さんは農業の研修をしていて、ここで農業をしたい と思って移住をしたこともあり、畑仕事などを通じて道具を借りたりしながら、地域の人と関係性をつないでいるとのこと。

 

「若い人のやっていること・考えていることはわからない と、田舎では壁を作られてしまいがちですが、一緒に農業をしたりして共通の話題を作れるようになると、自然と地元の人と仲良くなれる気がします。もし農業をやったことがなくても、興味がある・やってみたいというだけでも仲良くなれと思います」

と、言っていたのが印象的でした。

田舎での仕事の見つけ方

『田舎には仕事がない』

実際にこの言葉はよく聞くし、そう思っている人は多いはずです。

お金がないえんたくさんは、どのように生計を立てているのか聞いてみました。

 

そこで返ってきた回答は、

「田舎の仕事は都会ほどないかもしれませんが、割とありますよ」

 

詳しく聞いてみると、「田舎にはアルバイト雑誌のように明確にわかりやすく求人を出しているところが少ないんです。でも、仕事は口コミや〇〇できる人いない?と人づてでやってくるんですよ」とのこと。

 

1度地域のコミュニティに入って仲良くなると、仕事をしてない若者がいるというだけで仕事の話が来るのだといか。少し信じがたい話ですが、本当のようです。

 

「僕の場合、ガタイもよくて農業をしていたと言っているので、力仕事・農業系の仕事の依頼がよくきますね」と話すえんたくさん。

農業が盛んな地域では季節労働的に短期だけど人手が欲しい みたいな話があり、そういうところは割と給料がいいのだという。

 

実際で嶺北でやった仕事の写真をいくつか見せてもらいました。

まず6月中旬〜8月は、大豊町で生産されている幻の発酵茶と言われる「碁石茶」の生産の仕事。

夏場〜秋にかけては、NPOのいろいろな手伝い。

 

あとは近隣の草を刈る草刈りや整備の仕事など。

冬になる前は、嶺北地域で盛んに生産されているゆずの収穫。

 

冬になると、酒蔵の蔵人の仕事や竹や木の伐採など。

どれも長くて2ヶ月程度の短期間の仕事ではあるが、短期間の季節労働を複数こなしていけば、仕事自体は途切れ目がないように見えます。

 

「仕事をしたいときはガッツリ働いて、仕事をしたくないときは働かない。そんなライフスタイルがおくれるのはいいですね。変に仕事に追われる、仕事をしているだけの気がしないのもいいです」と話すえんたくさん。

 

たしかに働きたいときだけ働くみたいな生活はいいと思うが、それで本当に生活できるのだろうか?と疑問が浮かびます。

 

生活コストが安いので働きすぎなくていい

「僕の住んでいる家は、家賃が月1万円なんですよ。水道代は山水なのでかからないし、一人で細々と暮らす程度なら電気代・ガス代も高くないので生活コストがとにかく安いですね。食材も地域の人からもらえるし、野菜は近くの直売所に行けば安く買えるんですよ」

 

近所には猟師さんの知り合いもいるとのことで、一緒に鹿やイノシシをさばいてその肉をもらっているから、移住してからは肉はほとんど買っていないのだという。

季節労働や地域の人とのつながりで生きるというのは、都会で生活をしている人には、あまり想像ができない生き方かもしれません。

でも、彼はこうして実際に元気に暮らしています。

 

これから嶺北へ移住を考えている人へ

これから嶺北へ移住を考えている方へ、最後にえんたくさんからメッセージをもらいました。

 

「都会で営業の仕事をしたり、パソコンに向かってひたすら仕事をするよりも、外で体を動かす仕事がしたい、自然がある暮らしをしたいという人には、嶺北や田舎へ移住をするのはとてもいいことだと思います。

 田舎へ行くと人付き合いが苦手だ、大変だと思う人がいるかもしれませんが、僕も人と関わるのが苦手で、人を遠ざけがちです。でもここだと地域の方が優しく関わってくれる人が多くいます。いい具合におせっかいというか。

 試しに移住じゃなくても、見学みたいな、軽く遊びに行くような感じで気持ちで嶺北にきて、少しでも滞在してみるといいかもしれません。僕みたいに一気に人生が変わる人もいるかもしれません」

 

 


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