手作りのこんにゃくの美味しさ 伝統を守るということ


2017年3月29日

【この記事は、田舎ラボ事業の一環です。嶺北の暮らしや移住に興味を持つ若者が、地域での仕事やナリワイに焦点を当てた取材をお届けします】

 

日本で伝統的に作られてきている「昔ながらのこんにゃく」。

あのできたてのこんにゃくは、他にたとえようのない美味しさがあります。

 

一般的なスーパーで売ってる四角く区切られた黒いつぶつぶの入ったこんにゃく。

あれは工業的に作られているもので、中国産のこんにゃくを粉末にして、炭酸カルシウムで固めて作られています。

 

スーパーのこんにゃくが普通のものだと思ってたら、別格のうまさにおどろかされます。

そこには、工業的には作れない美味しい理由があります。

 

今回は、こんにゃく職人の和田一豊さんに、これからの伝統産業の可能性とそのビジネス化について取材してきました。

本山町のこんにゃく職人・和田一豊さん

和田一豊さんは、もともとは高知の外で仕事をしてきた人ですが、定年退職した後に地元に帰ってきて、こんにゃく作りを学び、1週間に1度だけこんにゃくの出荷されています。

芋からペースト状にミキサーで混ぜ、それに灰汁を混ぜることで固め、1つ1つ手で丸めて作っています。

 

使われている成分は、少量の炭酸カルシウム以外はすべて自然の物。

機会的な行程ではなかなか生み出せない風味や味を引き出しています。

 

そして、何よりもこの地で何百年も伝統的に作られてきたこんにゃくだからこそ、なんとかいい形で残していきたいという気持ちがふつふつと湧いてくるとのこと。

 

地元の伝統を守る

和田一豊さんがこんにゃくを作りはじめたその理由は、

「地元の伝統を守り、このまま残していきたい」

この気持ちが強くあったからとのこと。

 

こんにゃくを作る日は、朝4時に起きて、火を炊くところからスタート。

昼ごろまでに、なんと約500個のこんにゃく玉を作ります。

前日から何時間もかけて皮を剥いだこんにゃく芋をミキサーでペースト状にします。

それを固めていく作業を見ていると「こんにゃくって芋からできているんだ」ということを改めて感じます。

その他に、こんにゃくを固めるために灰汁を使うということを初めて知りました。

 

すごく手間と時間をかけて作る作業を見ていると、こうした伝統を残していくことに、難しさを感じてしまいます。

では、こうした伝統技術をどのような形で後世に残していけばいいのでしょうか。

付加価値をつける

よく言われる方法として、付加価値やブランド力をつけて、高く売るという方法。

例えば、1玉120円のこんにゃくを1玉200円で売ることができれば、その分1つ売った利益率は上がります。

しかし、普段売っている値段よりも高い値段で売るということには、なにかしらの理由が必要です。

 

付加価値は、人によってそれを価値として捉えるか捉えないかは難しいところですが、近年よく言われていることは下記の点です。

・ストーリー(物語)が見える商品

・パッケージなどのデザイン性に富んだ商品

・こだわりが伝わる商品

 

 

これは物によって異なるものなので、なんとも言えませんが、和田さんのこんにゃくの場合、やはりストーリーが最も重要だと感じました。

同じような形や色・ツヤをした個体をどんな風に切り出すかによって、価値を大きくできるかもしれません。

 

価値を生み出すものは視点のちがい

和田さんのこんにゃくの例から分かることは、とても価値があるものでも、あまり価値が表現されてない農産品を売っていくには、やはり視点の違いを持つことが重要だと感じました。

 

『こんにゃくはこういう物』という固定概念に縛られない視点を持って『こんなこんにゃくがあるとは!』という売り方や見せ方ができれば、価値を感じることができる素晴らしいものが、ここ嶺北にはたくさんあります。

一つのアイデアとして、和田さんと一緒にこのこんにゃくを持って手売りで販売してみようかと考えています。

どれだけ考えたパッケージやストーリーよりも、和田さんの想いや考えを直接聞ける方が、もっとも価値のあることなのでは?と思うからです。

 

そこからどうつながっていくかはまだ分かりませんが、1つのナリワイとして、これからもこのこんにゃく作りが続いていく形ができれば と考えています。

 

今回のまとめ

こうした伝統産業の衰退を止めるのは、どうしたらいいのでしょうか。

一つの答えはないけど、やれることはたくさんあります。

もしかしたら、それがこの地域で暮らしていく1つのナリワイになるかもしれません。

 

まだ具体的な形は見えていませんが、この1玉のこんにゃくから将来の嶺北地域が見えてくるような気がしました。

ひとつひとつ丁寧に作っているものだからこそ、しっかりとした価値で売れる仕組みが増えていくことを願っています。

 


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