田舎暮らしの国内留学? 暮らしを教えることが仕事になる時代


2017年3月29日

【この記事は、田舎ラボ事業の一環です。嶺北の暮らしや移住に興味を持つ若者が、地域での仕事やナリワイに焦点を当てた取材をお届けします】

みなさん「村・留学」というプログラムをご存知でしょうか。

 

このプログラムが、嶺北のNPO法人ONEれいほく代表の矢野大地さんの家で行われていました。

これからの田舎で暮らしていく人の1つのナリワイの形として、新しい価値を提供しているものだったのでご紹介します。

 

村・留学とは?

村・留学について簡単に説明しておきます。

一般的に「留学」という言葉を聞くと、海外へ行くことだと思うかと思いますが、実は日本の村にも学ぶべきことがたくさんあるという価値観の元に、9日間もの間、村・留学で指定された田舎に滞在して、その生活を学ぶプログラムです。

 

プログラムの仕組みとしては、約10名ほどの都会の若者・大学生たちが、田舎の主催者の家で一緒に共同生活しながら、そのコーディーネートの元に村での生活のことや仕事のことなどを学んでいきます。

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(プログラムについての動画があったので、ぜひご覧ください)

 

高知・本山と書かれているのが矢野大地さんの家で、つい先日、初の受け入れを終えたばかりでした。

矢野大地さんは「これからの自分の進路や、卒業後に生きていく環境に悩みを抱えている若者たちが多いのだな」と感じたとのこと。

 

この「村・留学」のプログラムを企画・運営している京都のPaKTという会社は、このプログラムを通じて、大学生たちがこれからの社会をどう生きていくのか、どうデザインしていくのかのサポート活動をしています。

集落の生活のありのままを過ごす

「このプログラムの中でどんなことをしてきたのでしょうか?」と聞かれたら、矢野大地さんはこう答えてくれました。

『特別なことは何もしていません』

 

それは、都会に住む学生や若者にとって田舎での暮らしや文化が非日常すぎて、田舎で暮らしている暮らしの全てが異文化のコンテンツになっているからとのこと。

今までの時代だったら考えられないことかもしれません。

 

綿密に作り込みすぎたプログラムよりも、取り繕わないありのままの田舎暮らしを見せることが、実は彼らにとって大きな学びとなる。

だから、日々自分のやっていることをまとめて、それを参加者にしっかり体験・体感してもらうことに力を注いできた とのこと。

 

 

一例を初回すると

・羽釜で毎朝ご飯を炊く

・自分たちで山へ入って薪をとってくる

・地元のこんにゃく職人の人のお手伝い

・地元の人の農業のお手伝い

・狩猟、鹿の解体などの体験

・毎日自分たちで自炊、洗濯

 

これらのことを日々の生活の中で当たり前にやっていることが、彼らにとって非日常の学びとなります。

新しいキャリアカウンセラーの形

このプログラムを通じて矢野大地さんが感じたことは、田舎で暮らし・生活している人はこれからの若者たちのキャリアカウンセラー的な立場に立つことができるのではないか?とのこと。

もちろん全ての人ができることではありませんが、これまでいろいろな経験をしてきて、いろいろな考えを持っているのであれば、田舎暮らしという非日常体験を通して、この変化の激しい時代をどのように生きていくのか?というきっかけの場になります。

 

特に、そうした将来に悩む若者たちの共通の悩みは、

「都会で暮らさないといけない考えから抜け出せない」

という悩みがあるとのこと。

 

2011年の東日本大人災以降、これから生きていく環境に対してシビアに考えるようになったいまの2,30代だからこそ、そうした機会を求めている若者たちは今後も出てくると思われます。

 

暮らし自体が仕事となる

いまの2,30代の間には、自分で学び・考え・そして楽しむ機会に対するお金や時間に投資するニーズが高まっています。

自分自身が非日常と感じる環境下で、温故知新を学ぶ価値を感じている若者が多くなっています。

 

だから、嶺北の人たちが普段当たり前の生活を「価値」だと感じ、それに対価を払ってでも体験したい人たちがいるのです。

この「村・留学」のプログラムが象徴するように、日本の「村」と呼ばれる場所には、都会で住む若者が未だかつて感じたことのない経験や体験、価値観が存在し、それらを学び、考え、楽しむ場づくりが、これからの若者のキャリアにつながっていく。

嶺北の暮らしは、そんな非日常を体験したい人にとって、とても価値のある暮らしがあるんだな と感じました。

 

民間での民泊も増えてきている昨今ですが、村・留学のような田舎のキャリアに重きを置いたプログラム形成ができる人は、これからの新しい時代にもきっと生き残っていけるような気がします。


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